10月14日(日) 15年目の万葉薪能を開催しました。
スタッフみんなの思いがこもったような、素晴らしい晴天でした。
朝早くから準備を始めます。
午後2時前には、能ワークショップのリハーサルが始まります。
片男波公園の散策に訪れた人々が、何人も足を止めて見入っています。
3時頃には、お客様が並び始め、開場の準備も慌ただしくなってきます。
午後4時、開場を告げるアナウンスが流れます。
舞台裏では、着物に着かえた能ワークショップに出演の子どもたちの記念撮影です。
今年は、公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団より、助成金をいただくことができたので、その授与式から始まります。
和歌浦天満宮による火入れ式が、執り行われます。
4時35分、能ワークショップの本番が始まります。
皆さん、いつも以上の出来栄えで、見違えるばかりです。
綺麗な夕陽が、紀伊水道に沈みます。
狂言「二人袴」が始まる頃、次第に闇が深くなり、篝火が映えてきます。
親離れできない息子が、父を連れて、婿入りの挨拶に行く話です。
人それぞれの感情が暖かく描かれており、花嫁は登場しませんが、華やいだ雰囲気の漂う明るく楽しい狂言です。
会場は、大笑いに包まれます。
しばしの休憩のあと、能「経政」が静かに始まります。
平経政は、清盛の甥にあたり、貴族趣味に耽溺した平家一門の中でも、才の際立つ貴公子で、とりわけ琵琶の名手として名を馳せています。
そのため、この曲は「修羅物」ですが、勇猛な雰囲気はほとんどありません。
一曲を通じて、貴族文化の優雅な雰囲気が流れています。
平家の公達の悲運を、松井彬師が優美に舞い、伝統に彩られた幽玄の世界を現出します。
会場に、静かな感動が広がっていきます。
800人のお客様に、詰め掛けていただきました。
本当に、ありがとうござました。