第18回万葉薪能 開催しました |
10月9日(日)「第18回和歌の浦万葉薪能」、無事に開催することができました。
前夜、かなり雨音もしていましたが、「昼前には上がり、その後晴れてくる」という天気予報と、「薪能の日は絶対に雨にならない」という松本会長の言葉で、屋外で開催することを決定。
集合時間の10時には、雨もほとんど上がり、少し遅れた準備を急いで始めます。
あちこちでテントが立ちあがります。
アリーナから机を15台とパイプ椅子を400脚運び出し、芝生の上に並べます。
ブルーシートで雨を避けていた舞台を拭き上げ、揚幕を設置し、橋掛かりに松を飾ります。
いつものように、鏡の間や楽屋の支度も進めます。
舞台の完成を待っての作業もあり、少し遅れがちでしたが、着々と出来上がっていきます。
前日の公演地・宮崎では雨の中の薪能だった片山九郎右衛門師一行は、朝一番の飛行機で来和。
事務局になっている木村屋旅館で暫し休息を取ってもらいます。
空には、日差しも感じられるようになり、準備する手にも力が入ります。
薪能の幟を、トラックに積んで、あしべ橋から会場の片男波公園にかけて並べます。
万葉館では、お渡しするパンフレットやアンケート・チラシなどを用意します。
午後1時、能ワークショップに出演する子どもたちが、最後の練習です
いつもは午前中に終わっている客席のブルーシート敷きも、子どもたちの練習を見ながらです。
午後3時からは、能の申し合わせが始まります。
片男波公園に散歩に来た人は、何が始まるんだろうと、興味深そうに眺めています。
午後4時前、今まで他の仕事を手伝ってくれていた女子高生たちが、万葉衣装を纏って出てきます。
午後4時、開場を告げるアナウンスが流れます。
早くから並んでくれた多くの方が、順番に入場していきます。
4時20分、第1部 能楽ワークショップの始まりです。
謡の連吟も、仕舞も、太鼓も、皆さん、いつも以上の出来映えで見違えるばかりです。
第2部に入り、火入れが行われ、篝火に火が入ります。
小林慶三師の仕舞「井筒」のあと、狂言「萩大名」が始まる頃、次第に闇が深くなり、篝火が映えてきます。
物覚えの悪い田舎大名と太郎冠者や庭の亭主との滑稽なやり取りに、会場は、大笑いに包まれます。
本日の能について、小林先生のお話のあと、能「恋重荷」が静かに始まります。
片山九郎右衛門師が、女御に恋をした老人の悲しみや憤り、恨みを静かな動きの中にも端然と表現し、会場が息を飲んで見つめます。
そして、会場に静かな感動が広がっていきます。
伝統に彩られた幽玄の世界が顕現されています。
守護神になって舞台を下りてきた九郎右衛門師からは、近寄りがたい威厳が漂っていました。
天候が不安定な中、詰めかけていただいた皆さん、いつも応援していただいている皆さん、本当にありがとうございました。
そして、スタッフの皆さん、準備の取り掛かりが遅かったので、いつになく忙しい一日、本当にお疲れ様でした。
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【2016.10.12 Wednesday 00:00】 author : 和歌の浦万葉薪能の会
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