平成29年10月8日(日)「第19回和歌の浦万葉薪能」を開催しました。
今年は、天候の心配はありません。
10時集合ですが、9時頃から人が集まり、あちこちで準備が始まります。
人が増えてくると、アリーナから机を15台とパイプ椅子を400脚運び出し、芝生の上に並べます。
舞台を拭き上げ、揚幕を設置し、橋掛かりに松を飾ります。
いつものように、鏡の間や楽屋の支度も進めます。
客席にブルーシートを敷いていきます。
お天気が好すぎて暑いほどの日差しの下、準備する手にも力が入ります。
薪能の幟を、トラックに積んで、あしべ橋から会場の片男波公園にかけて並べます。
万葉館では、お渡しするパンフレットやアンケート・チラシなどを用意します。
午後1時、能ワークショップに出演する子どもたちが、最後の練習です。
片男波公園に散歩に来た人は、何が始まるんだろうと、興味深そうに眺めています。
午後4時前、今まで他の仕事を手伝ってくれていた女子高生たちが、万葉衣装を纏って出てきます。
午後4時、開場を告げるアナウンスが流れます。
早くから並んでくれた多くの方が、順番に入場していきます。
4時20分、第1部 能楽ワークショップの始まりです。
謡の連吟も、仕舞も、太鼓も、皆さん、いつも以上の出来映えで見違えるばかりです。
第2部に入り、火入れが行われ、篝火に火が入ります。
狂言「因幡堂」が始まります。
夕日に照らされた松の木の影が舞台の背景に映り、本物の能舞台の鏡板のようになっています。
大酒飲みの妻を騙して離縁した男とその妻との滑稽なやりとりに会場は大笑いに包まれます。
長田驍師のお話のあと、能「花月」が静かに始まります。
当会の元会長代行の久保博山氏作の面「喝食(かっしき)」を使用します。
芸尽くしと言われる「花月」は、松井彬師の華麗な舞がひと際映える演目です。
曲舞を見せたり、弓を引いたり、鞨鼓を打って舞ったり。
子別れと言う重いテーマの雰囲気はなく、あくまでも軽やかで華やかです。
その芸を次々に引き出す茂山逸平師の「清水寺門前の者」、これぞ間狂言の真骨頂という存在感も見逃せません。
早くから詰めかけていただいた皆さん、いつも応援していただいている皆さん、本当にありがとうございました。
そして、スタッフの皆さん、暑い、忙しい一日、本当にお疲れ様でした。