能・狂言、セミナーやワークショップなどのブログです。
NHK和歌山「あすのWA!」での放送

 10月3日にNHK和歌山の「あすのWA!」で放送された、私たちの会の「能ワークショップ」。

その様子が、NHK和歌山のホームページでアップされましたので、紹介します。

 

2017   10   3   (火) 放送

能の伝統受け継いで

 

毎年秋に和歌山市で開催される「和歌の浦万葉薪能」。
そこで発表する子どもたち向けの「能ワークショップ」が、今年で10年目を迎えました。
発表に向け、稽古に励む子どもたちを取材しました。

日本の伝統芸能「能」。
650年以上前から今に伝わる、世界最古の舞台芸術の一つです。

この「能」に子どもの頃から親しんでもらおうと、「NPO法人 和歌の浦万葉薪能の会」が子ども向けワークショップを開いています。
今年で10
年目を迎え、稽古の成果は毎年秋に行われる「和歌の浦万葉薪能」内で発表しています。

 

NHK和歌山「あすのWA!]

 

NHK和歌山「あすのWA!]

 

参加しているのは、和歌山市在住または出身の4才から17才までの14人。
皆さんが挑戦するのは、「能」の演目の一部で面をつけずに舞う、「仕舞」です。
扇を刀に見立てた舞や、ゆったり優雅な天女の舞など、演目は様々です。

 

NHK和歌山「あすのWA!]

 

稽古を担当しているのは、和歌山市出身で能楽の重要無形文化財保持者、小林慶三さんです。
芸を身につけるために大事なことは、正しい動きを「真似る」ことだと小林さんは話します。
そのため子どもたちは、稽古中じっくりと先生の動きを見ています。
「子どもたちはまだ(能を)経験してませんから、最初から難しいことは教えません。分かりづらそうなら簡単な形に変えていきます。分かるようになったら、また次のことを教えます。」と話す小林さん。
子どもの習熟度に合わせて稽古内容を変えているんです。


この日、今年から兄妹で能に挑戦する津守航太朗くん(7)、優奈ちゃん(4)のお宅を訪ねました。
能が大好きな航太朗くんと、そのお兄ちゃんを見て能を始めたという優奈ちゃん。
毎日欠かさず練習を行うそうです。
二人の母親の舞さんは「少しでいいから毎日練習すれば大丈夫だと小林先生がおっしゃっていたので、子どもたちはそれを守っています。」と話します。

 

NHK和歌山「あすのWA!]

 

航太朗くんが挑戦する『芦刈キリ』(『芦刈』という能の盛り上がり部分を切り取った仕舞)では、足の使い方がうまくできなかったという航太朗くん。
先生の動きを思い出しながら、一つ一つ足の出し方を確認しつつ繰り返し練習していました。

 

NHK和歌山「あすのWA!]

 

NHK和歌山「あすのWA!]

 

他にもこんな工夫をしています。
本来の能の舞い方が書かれた本を、書き写してふりがなをつけたり、舞の型をイラストで描いたりと、お母さんに手伝ってもらいながら自分たちの分かりやすいように作り直したんです。
薪能での発表を前に航太朗くんは、「どきどきするけど、自分を信じてやりたいです。」と話します。

10月8日に行われた薪能を私も見に行きましたが、野外ステージで夕日に照らされ舞う皆さんはとてもかっこよかったです!
当日まで一生懸命練習したからこそ、素敵な発表になったんだと思います。
実は私も大学時代に部活動で能楽をしていましたが、子どものころから「能」に触れる機会があるというのは貴重なことだと思います。

これからも皆さんの活動をきっかけに和歌山で「能」が広がっていけばうれしいですね。

【2017.11.07 Tuesday 22:00】 author : 和歌の浦万葉薪能の会
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第19回和歌の浦万葉薪能

平成29108日(日)「第19回和歌の浦万葉薪能」を開催しました。

 

今年は、天候の心配はありません。

 

10時集合ですが、9時頃から人が集まり、あちこちで準備が始まります。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

人が増えてくると、アリーナから机を15台とパイプ椅子を400脚運び出し、芝生の上に並べます。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

舞台を拭き上げ、揚幕を設置し、橋掛かりに松を飾ります。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

いつものように、鏡の間や楽屋の支度も進めます。

 

客席にブルーシートを敷いていきます。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

お天気が好すぎて暑いほどの日差しの下、準備する手にも力が入ります。

 

薪能の幟を、トラックに積んで、あしべ橋から会場の片男波公園にかけて並べます。

 

万葉館では、お渡しするパンフレットやアンケート・チラシなどを用意します。

 

午後1時、能ワークショップに出演する子どもたちが、最後の練習です。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

片男波公園に散歩に来た人は、何が始まるんだろうと、興味深そうに眺めています。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

午後4時前、今まで他の仕事を手伝ってくれていた女子高生たちが、万葉衣装を纏って出てきます。

 

午後4時、開場を告げるアナウンスが流れます。

 

早くから並んでくれた多くの方が、順番に入場していきます。

 

420分、第1部 能楽ワークショップの始まりです。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

謡の連吟も、仕舞も、太鼓も、皆さん、いつも以上の出来映えで見違えるばかりです。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

2部に入り、火入れが行われ、篝火に火が入ります。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

狂言「因幡堂」が始まります。

 

夕日に照らされた松の木の影が舞台の背景に映り、本物の能舞台の鏡板のようになっています。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

大酒飲みの妻を騙して離縁した男とその妻との滑稽なやりとりに会場は大笑いに包まれます。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

長田驍師のお話のあと、能「花月」が静かに始まります。

 

当会の元会長代行の久保博山氏作の面「喝食(かっしき)」を使用します。

 

芸尽くしと言われる「花月」は、松井彬師の華麗な舞がひと際映える演目です。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

曲舞を見せたり、弓を引いたり、鞨鼓を打って舞ったり。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

子別れと言う重いテーマの雰囲気はなく、あくまでも軽やかで華やかです。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

その芸を次々に引き出す茂山逸平師の「清水寺門前の者」、これぞ間狂言の真骨頂という存在感も見逃せません。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

早くから詰めかけていただいた皆さん、いつも応援していただいている皆さん、本当にありがとうございました。

 

そして、スタッフの皆さん、暑い、忙しい一日、本当にお疲れ様でした。

【2017.10.15 Sunday 00:00】 author : 和歌の浦万葉薪能の会
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第19回万葉薪能 無事に開催できました。

108()「第19回和歌の浦万葉薪能」を開催しました。

 

「能ワークショップ」の皆さんも「太鼓のワークショップ」の皆さんも、いつも以上に上手にできました。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

狂言「因幡堂」での茂山七五三師の滑稽な男に会場は大笑いに包まれ、能「花月」の松井彬師の華麗な舞に皆さん息をのんで見入っています。

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

第19回和歌の浦万葉薪能

 

まずは、お礼まで。

 

詳しくはまた報告させていただきます。

【2017.10.09 Monday 02:00】 author : 和歌の浦万葉薪能の会
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薪能‐準備とリハーサル

前夜の雨も上がり、日差しも届く天候になりました。

 

明日の薪能の準備です。

 

能舞台は、昨日設置されています。

 

薪能 前日

 

今日は、預かってもらっていた道具を受け取り、テントや篝火など必要な諸々のものを会場に運び込みます。

 

午後2時からは、「能楽ワークショップ」のリハーサルが始まります。

 

薪能 前日

 

子どもたちも本番の舞台で少し緊張気味です。

 

芝生の上でも練習です。

 

薪能 前日

 

「太鼓のワークショップ」の皆さんも、小林先生と合わせます。

 

薪能 前日

 

照明の櫓も立ち上がり、音響もセッティングされます。

 

薪能 前日

 

テントも組み立て、道具もしまって、最後に明日の諸注意を話して、今日は解散です。

 

薪能 前日

 

薪能 前日

 

薪能 前日

 

明日は、いいお天気になりそうです。

 

いい舞台になりますように。

【2017.10.07 Saturday 22:00】 author : 和歌の浦万葉薪能の会
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10月8日の日曜日、第19回和歌の浦万葉薪能を開きます。

「和歌の浦に 潮満ち来れば 潟を無み 葦辺をさして 鶴泣き渡る」という山部赤人の万葉歌の舞台で、その和歌を素材にした能「鶴」を見てみたいと思った人たちが集まって、何もわからず気持ちだけで開いたのが第1回、19991011日でした。

 

薪能

 

片男波の野外ステージに能舞台を組み、和歌浦湾に夕陽が沈む、片男波海岸の一番美しい刻に、会場を埋めた満員のお客さんを前にしたその時の感動が、今も私たちを支えています。

 

 

まずは、5年は続けようと始め、次には10周年を目指して、そして15年を超え、今年19年、来年は20周年を迎えます。

 

屋外で行うので、毎回天候が気になりますが、一度も雨になったことがないので、今年も大丈夫だと思っています。

 

入場料が必要なので、気軽に覗いてくださいとは言いにくいのですが、興味があればいらっしゃってくださいね。

 

これから、5日の木曜日には、本番で能舞台を囲む竹や演者の登場・退場に使用する「橋掛り」の一の松、二の松、三の松の切り出しに向かいます。

 

第19回万葉薪能

 

切り出した松と竹は、当日まで、片男波公園に預かっていただきます。

 

第19回万葉薪能

 

7日の金曜日には、舞台の設営が始まります。

 

第19回万葉薪能

 

第19回万葉薪能

 

これは、ずっとお願いしている工務店の方が、手際よく設置します。

 

8日の土曜日には、全員が集合。

 

あちこちから、手配したトラックで、手分けしてそれぞれが行動します。

 

まずトラック2台は、星林高校から、テントを6張借りてきます。

 

別隊は、楽屋の道具一式、揚げ幕、鏡などを預かって貰っている所から、慎重に運び出します。

 

薪能の倉庫からは、篝火の道具や、シート等細々した物を運び出します。

 

第19回万葉薪能

 

必要な机やパイプ椅子も運びます。

全員が、片男波公園に戻る頃には、照明や音響が設置されています。

 

第19回万葉薪能

 

ちょうどその頃、舞台では、能ワークショップの最後の練習が繰り返されているはずです。

 

第19回万葉薪能

 

毎年同じことですが、ミスをしないように気を付けて作業し、日曜の本番を迎えます。

【2017.10.05 Thursday 00:00】 author : 和歌の浦万葉薪能の会
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