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新作能 媽祖 初演

42日、京都観世会館で、片山九郎右衛門師の新作能「媽祖(まそ)」の公演がありました。

 

新作能 媽祖

 

宝生欣也さんや、萬斎さん、逸平ちゃんなど馴染みの方も出演するので、少し高いチケットを購入して出かけます。

 

新作能 媽祖     新作能 媽祖


平安神宮の桜は満開です。

 

新作能媽祖     新作能 媽祖

 

その前の観世会館も、満員です。

 

新作能媽祖

 

でも思ったより着物の人が少なかったですね。

 

新作能媽祖

 

まず、九郎右衛門さんのクラウドファンディングのお礼と挨拶。

 

次に原作の玉岡かおるさんの案内で、改めて、世界初演だいうことを確認。

 

この能が広がれば、歴史の証人になれるのでしょうか?

 

台詞と動きの多い能でした。

 

33日に和歌山に来てくれた時に、京都でのこの「媽祖」の稽古終わりだった萬斎さんに「今はいろんなアイデアが皆から出て、膨れ上がってる状態。これをどう収斂していくかでしょうね」と伺いましたが、収斂しきれていないような印象もありました。

 

間狂言の逸平ちゃんが多くの台詞をこなし、最後の住吉明神と媽祖の舞も見応えがありました。

 

新作能媽祖

 

綺麗な衣装もたくさん拝見できました。

 

新作能媽祖

【2022.04.03 Sunday 23:00】 author : 和歌の浦万葉薪能の会
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御坊で、所縁の「道成寺」が上演されます。

文化庁の「大規模かつ質の高い文化芸術活動を核としたアートキャラバン事業」というのがあります。

 

1111()に、その事業を利用して、和歌山県の御坊市民会館にて、「翁」と「道成寺」という大曲が2曲披露されます。

 

 

主催は能楽協会、京都観世会。

 

 

「一陽来復祈願能」と名付けられ、「翁」のシテは分林道治師。

 

 

三番三は今年の薪能で「棒縛」を演じてくれた茂山逸平さんです。

 

 

もう一番は片山九郎右衛門師の「道成寺」。

 

 

御坊という所縁の地での「道成寺」。

 

ご本人の「こんな事はこれが最初で最後かな」とのコメントが、印象的です。

 

ホールでの「道成寺」は大変珍しいらしく、どの様に鐘が吊るされるのか、興味がありますね。

 

私たちの薪能にも来ていただいた、宝生欣也師も共演します。

 

この御坊での「翁」と「道成寺」。滅多にない機会です。

 

平日の昼間という開催ですが、是非、ご覧いただきたいと思います。

 

そこで「万葉薪能」の友の会の会員の方には、ご案内が届くと思いますが、一般5,000円のところ、4,000円で購入していただけます。

 

ホームぺージや電話で問い合わせていただくか、運営委員に申し付けていただければ結構です。

 

どうぞ宜しくお願いします。

【2021.10.19 Tuesday 20:00】 author : 和歌の浦万葉薪能の会
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五世茂山千作、十四世茂山千五郎襲名記念公演

いつも薪能に出演していただいている茂山千五郎家は、江戸時代初期から400年続く京都在住の狂言師の家です。

 

当主は、代々千五郎と名乗り、千五郎が隠居すると千作と称するようです。

 

今回十三世千五郎が五世千作を、正邦が十四世千五郎を襲名されることになり、その襲名記念公演が、226日(日)和歌山県民文化会館小ホールで行われました。

 

和歌山県民文化会館小ホール

 

演目は、五世千作師と逸平師の「鬼瓦(おにがわら)」、宗彦師と童司師、千三郎師の「口真似(くちまね)」

 

茂山狂言会

 

そして、十四世千五郎師と茂師、七五三師の「木六駄(きろくだ)」です。

 

茂山狂言会

 

和歌の浦万葉薪能の会からは、11人が出席し、お祝いを申し上げました。

 

今年の第19回万葉薪能には、狂言「因幡堂(いなばどう)」に七五三師と松本薫師、能「花月(かげつ)」の間狂言に逸平師の出演を予定しています。

 

狂言 因幡堂

【2017.02.26 Sunday 22:00】 author : 和歌の浦万葉薪能の会
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松井彬師にロンドン大学から名誉博士号

昭和34(1959)1月、能のシテ方喜多流宗家・喜多実が喜多能楽堂で自作の能「鶴」を初演しました。

 

和歌の浦を訪ねた都の者が古歌を口ずさむと一人の女性が現れて昔を語り、潮が満ちてくると女は鶴となって大空に飛んで行くという筋書きです。

 

平成8(1996)に日前宮薪能でその「鶴」が奉納されました。シテは、喜多流松井彬師。

 

それから、その「鶴」を、ご当地和歌浦で上演するための準備が始まりました。

 

そして、平成11年(19991011日、第1回「和歌の浦万葉薪能」を開催しました。

 

薪能 鶴      薪能 鶴

 

演目は、もちろん喜多流能「鶴」。シテは、当然松井彬師です。

 

和歌浦湾に夕陽が沈む、片男波海岸の一番美しい刻に、会場を埋めた満員の観客を前にした第1回の感動が、18年経った今も私たちを支えています。

 

その松井彬師が、このたびロンドン大学から名誉博士号を送られました。

 

松井彬

 

おめでとうございます。

 

1970年代から海外に渡り、英語能「かもめ」や「オッペンハイマー」にも出演されています。

 

松井彬 オッペンハイマー

 

海外にいらっしゃることが多く、連絡が取りづらいのは困りますが、これからも益々のご活躍をお祈りします。

【2016.08.24 Wednesday 00:00】 author : 和歌の浦万葉薪能の会
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紀州徳川家版能「石橋」の全編上映
和歌山城内の和歌山歴史館でも公開されている、紀州徳川家版能「石橋(しゃっきょう)」の全編上映が、5月7日(土)私立博物館で行われました。

和歌山市立博物館

和歌の浦万葉薪能の会からは、誘い合わせたわけでもないですが、4人が出席。

学芸員の方からの説明のあと、1時間16分の全編が上映されました。


紀州徳川家版能「石橋」の上映

「石橋」は、室町時代に成立した演目で、獅子が登場して激しく舞うため、舞うのが難しく長い間途絶えていたそうです。

それを2代将軍秀忠が、復活させます。

その兄に対抗するように、紀州藩主徳川頼宜が古い伝承を元に独自に復活。


紀州徳川家版能「石橋」の上映        紀州徳川家版能「石橋」の上映

そこには、幕の内、衣装、置き所、花の寸法まで頼宣が手掛け、舞の所作や囃子にも独自に工夫されているようです。

紀州徳川家では、この演目を秘曲とし、選ばれたもののみに相伝させます。しかし、藩の消滅とともに、受け継がれることなく途絶えていました。


紀州徳川家版能「石橋」の上映        紀州徳川家版能「石橋」の上映

「石橋」は、普段は、獅子が舞い踊る後半部分だけが、半能として演じられることが多いようです。

今回初めて全編を通して観ましたが、前半部分は、やはり少し難しかったですね(笑)


解説をされた学芸員の方は、薪能の会ではお馴染みの橋本忠樹師のお弟子さんのようで、終わった後、そんな話にも花が咲きました
 
【2016.05.08 Sunday 15:00】 author : 和歌の浦万葉薪能の会
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